サイディングボードの部屋

サイディングボードとは

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最近住宅の外壁に使われることが多いサイディングボードですが、名前くらいは聞かれことがあるという方も多いのではないでしょうか。

サイディングボーでも以前リフォームで小林亜星さんのCMで日本中で流行した「●●●サイデリア」みたいな金属製のボードもありますが、ここでは窯業系サイディングについて考えていきます。

窯業系サイディングは、主原料としてセメント質原料及び繊維質原料を用いて板状に成形した建築物の外装に用いる防火材料です。

主なものに次の三種類があります。

  1. セメント系の原料に木質系繊維を用いて補強した「木繊維補強セメント板系」。
  2. セメント質原料に無機質・有機質繊維を用いて補強し、
    強化させた「繊維補強セメント板系」。
  3. セメント及びけい酸カルシウムなどの無機結合材を無機質・有機質繊維で補強した
    「繊維補強セメント・けい酸カルシウム板系」。

また、以前大問題になった石綿(アスベスト)も全商品に含有しており、一部メーカーは2004年9月まで使用してきました。現在では法律で使用が禁止されていますので、使われることがありませんが、アスベストを代替繊維に切り替えた頃は一時的に品質が不安定で悪い時期がありました。ちょうど1985年〜90年頃の製造品には注意が必要です。塗装後のクレームが出やすいのもこの頃の製品が多いです。 

昭和40年代初めて窯業系サイディングが誕生した頃は、モルタル外壁と同レベルの防火性能が工場生産で製造でき、モルタルの壁のように左官さんを必要とせず、大工さんが施工できる外壁材として画期的な不燃建材として登場しました。縦方向に張る縦張り工法が主でした。

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昭和50年代になるとツーバーフォー住宅の参入にあわせ、アーリーアメリカン調の外観デザインが流行り、縦張り中心から横張り窯業系サイディング材の登場により、販売高が急成長し低層住宅外壁の約50%まで採用が進みました。

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昭和61年、旭硝子が業界初の2色タイル調ボードを販売しました。もともとモルタルでは表現できないかっこ良さとかデザイン、色合いなども人気の秘密でしたが、このタイル調ボードの出現で本格的なデザイン競争時代に突入しました。それと同時に現場で塗装するケースが減り工場での塗装品が増加しました。

平成5年には多色・多彩サイディングが開発され第2次デザイン戦争時代へと入っていきます。基盤のプレス技術も進化し様々な凹凸模様が出来、そこに多色塗りを可能にするインクジェット印刷技術が使われるようになりました。どのようなデザインも製造可能になったといえます。

平成10年、窯業系サイディング材の塗装の進化が進みます。着色はアクリル塗装で、その上にトップのクリヤをかけていきます。無機クリヤ、フッ素クリヤ、アクリルシリコンクリヤなどの高耐候塗料が出揃いました。
現在では、さらに高機能塗膜が人気です。例えば

  1. 業界最大手のニチハはINAXのナノ親水
  2. KMEWはTOTOの光触媒技術+無機塗装とセットで展開
  3. 旭トステムは旭硝子コートアンドレジンのフッ素「セルフッ素」で親水性+防カビ防藻

などです。
このように多色品が主流になってくると塗替えもクリヤー塗装がメインになってきます。

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窯業系サイディングの弱点といえばずばり湿乾伸縮に尽きるといえます。湿乾伸縮とはどういうことでしょうか。そのメカニズムは窯業系サイディングの癖ともいえます。水や湿気を吸うと伸びる、乾くと縮むという癖です。

その前に湿乾伸縮が起こる前提として大事なことがあります。それは窯業系サイディングボードは非情に水を吸い込みやすいという性質があるということです。特に1998年以前に製造のボードに伸縮率が大きいものが数多く存在しています。

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吸水試験をしたデータによると24時間サイディングボードを吸水させると重さが1.2倍から1.5倍に増えます。そして元の重さに戻るのに自然乾燥で3日間程度かかります。この水分を吸いやすい性質が湿乾伸縮を起こさせる原因です。

例えば10年間湿乾伸縮を繰り返すとどうなるかというと、表面の塗装膜にひび割れが起こります。釘止めの場合縮んだ時の引っ張りに絶えられなくなり釘の廻りが割れます。また、コーキングが引っ張られてコーキングが目地切れを起こします

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大体伸びて縮んでを繰り返すうちに全体のサイズは必ず縮んでいます。横張りの場合、幅455mmのボードは0.5mm〜1mmは縮みます。長さは3030mm(10尺)で3〜5mm縮みます。

この湿乾伸縮を防ぐことが重要になってきます。つまり水や湿気を吸わせないことです。ひとつの方法は表面の塗装によって防水をかけることです。もうひとつはサイディングボードの張り方で防ぐ方法です。つまり直張りをやめて外壁通気構法で必ず施工することといえます。

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さて、先ほど直張りとか通気構法とかでましたが、どういうことか説明します。

簡単に言えば窯業系サイディングの裏面が防水紙に密着している場合を直張りといいます。窯業系サイディングの裏面と防水紙が12mm〜15mm以上隙間がある場合を外壁通気構法といいます。

この構造の違いで家の寿命が大きく変わってきます。2000年4月以降品確法の標準工法として外壁通気構法が取り入れられましたので新しい家は外壁通気構法になっている場合が多いと思われます。但し罰則がありませんので、今建てている最中の家でも残念ながら直張りが存在します。

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この外壁通気構法にすると浸水や結露が発生しても空気が流れることによって乾燥した状態を保てます。炭酸ガスに侵されることもありません。

これが、直張り工法だとボードが吸水した水分や湿気はすぐ裏に密着した防水紙に阻まれて逃げ場を失ってしまいます。そして、未塗装のボードの裏面から再び吸い込まれていきます。発生した炭酸ガスもボードに吸い込まれていきます。炭酸ガスもセメント系のボードを縮める働きがありますので、先ほどの湿乾伸縮をさらに助長してしまうということです。

残念ながらもし自宅の外壁が直張り住宅の場合は外壁材を剥いで新たに通気構法で張り替えるしか方法はありません。せめて、表面の塗装をする場合に適切な塗装方法をとって被害を最小限にとどめることが大切です。

ここで、重要なことは塗装する場合に直張りが通気構法かを見抜いた上で施工方法を考えるということです。何も考えない塗装屋さんも多いのも現実ですが、しっかりとした知識と技術はやはり大切であると考えています。

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サイディングボードに施されている塗装にも色んな種類がありますが、基本的にはアクリルで着色してその上に機能性の高いクリヤーコーティングで仕上げます。実はその中には難付着性ボードと呼べれる塗装が難しいサイディングボードがあります(ケイミュー株式会社のネオロック・光セラ、親水セラなど)。基本的に塗替えがあぶない傾向があるのが光触媒を使ったクリヤーや無機クリヤーなどに多いようです。

では塗装が必要になったらどうすればよいのかといいますと塗装が無理なら張替えをお願いするしかしかたありません。

ただしそういった塗替えが難しいと言われていたサイディングボードにも塗り替えが可能な専用シーラーを日本ペイント開発しました。「ファインパーフェクトシーラー」という2液溶剤型のシーラーで発売は平成26年6月です。こういった専用シーラーを使う必要があることをわかっている業者に仕事を依頼しないと将来剥離などのクレームが発生する可能性が高いと言えます。何も知らないということは、普通の下地材を使ってしまうということです。外壁材も日々進化しますから我々も常に勉強して最新の知識を持たなくてはなりません。

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